チュートリアル: Amazon Lightsail の WordPress インスタンスで Let's Encrypt の SSL 証明書を使用する

最終更新日: 2019 年 6 月 7 日

Amazon Lightsail では、Lightsail ロードバランサーを使用すると、SSL/TLS でウェブサイトとアプリケーションのセキュリティを強化できます。ただし、Lightsail ロードバランサーの使用は一般的に最適な選択肢ではない場合があります。ロードバランサーが提供するスケーラビリティや耐障害性がサイトでは必要ない場合や、コストを最適化するためにロードバランサーを使用しない場合があります。

後者の場合は、Let's Encrypt の無料の SSL 証明書を利用できます。無料の証明書を使用することに問題はありません。これらの証明書を Lightsail インスタンスに統合できます。このチュートリアルでは、Certbot を使用して Let’s Encrypt ワイルドカード証明書をリクエストし、これを Really Simple SSL プラグインを使用して WordPress インスタンスに統合する方法を示します。

注意

Lightsail の SSL/TLS 証明書の詳細については、「Lightsail の SSL/TLS 証明書」を参照してください。

目次

ステップ 1: 前提条件を満たす

以下の前提条件を満たします (まだ満たしていない場合)。

前提条件が完了したら、このチュートリアルの「次のセクション」に進みます。

ステップ 2: Lightsail インスタンスに Certbot をインストールする

Certbot は、Let's Encrypt の証明書をリクエストしてウェブサーバーにデプロイするために使用するクライアントです。Let's Encrypt は ACME プロトコルを使用して証明書を発行します。Certbot は、Let's Encrypt とやり取りする ACME 対応のクライアントです。

    Lightsail インスタンスに Certbot をインストールするには

  1. Lightsail コンソールにサインインします。

  2. Lightsail のホームページで、接続先のインスタンスの SSH クイック接続アイコンを選択します。

    Lightsail のホームページの SSH クイック接続。
  3. Lightsail のブラウザベースの SSH セッションに接続したら、次のコマンドを入力してインスタンスのパッケージを更新します。

    sudo apt-get update
    インスタンスのパッケージを更新する。
  4. 次のコマンドを入力してソフトウェアプロパティパッケージをインストールします。Certbot の開発者は、Personal Package Archive (PPA) を使用して Cerbot を配信します。ソフトウェアプロパティパッケージを使用すると、PPA をより効率的に操作できます。

    sudo apt-get install software-properties-common

    注意

    sudo apt-get install コマンドを実行したときに Could not get lock エラーが発生した場合は、約 15 分待ってから再試行してください。このエラーは、自動アップグレードをインストールするために Apt パッケージ管理ツールを使用している cron ジョブが原因で発生している可能性があります。

  5. 次のコマンドを入力して Certbot をローカル apt リポジトリに追加します。

    sudo apt-add-repository ppa:certbot/certbot -y
  6. 次のコマンドを入力して apt を更新し、新しいリポジトリを含めます。

    sudo apt-get update -y
  7. 次のコマンドを入力して Cerbot をインストールします。

    sudo apt-get install certbot -y

    これで Lightsail インスタンスに Cerbot がインストールされました。

  8. ブラウザベースの SSH ターミナルウィンドウは開いたままにします。このチュートリアルで後ほど戻ります。このチュートリアルの「次のセクション」に進みます。

ステップ 3: Let's Encrypt の SSL ワイルドカード証明書をリクエストする

Let's Encrypt の証明書をリクエストするプロセスを開始します。Certbot を使用してワイルドカード証明書をリクエストします。この 1 つの証明書をドメインとそのサブドメインの両方に使用できます。たとえば、1 つのワイルドカード証明書を example.com 最上位ドメイン、blog.example.com サブドメイン、および stuff.example.com サブドメインに使用できます。

    Let's Encrypt の SSL ワイルドカード証明書をリクエストするには

  1. このチュートリアルのステップ 2 で使用した同じブラウザベースの SSH ターミナルウィンドウで、以下のコマンドを入力してドメインの環境変数を設定します。コマンドをコピーして貼り付け、より効率的に証明書を取得できます。domain は登録済みのドメイン名に置き換えてください。

    DOMAIN=domain
    WILDCARD=*.$DOMAIN

    例:

    DOMAIN=example.com
    WILDCARD=*.$DOMAIN
  2. 次のコマンドを入力し、変数が正しい値を返すことを確認します。

    echo $DOMAIN && echo $WILDCARD

    次のような結果が表示されます。

    ドメインの環境変数を確認する。
  3. 次のコマンドを入力して Certbot をインタラクティブモードで起動します。このコマンドでは、DNS チャレンジで手動認証を使用してドメインの所有権を検証することを Certbot に指示します。また、最上位ドメインとそのサブドメイン用にワイルドカード証明書をリクエストします。

    sudo certbot -d $DOMAIN -d $WILDCARD --manual --preferred-challenges dns certonly
  4. プロンプトに応じて E メールアドレスを入力します。これで更新とセキュリティに関する通知を受信します。

  5. Let's Encrypt のサービス利用規約を読みます。同意する場合は A キーを押します。同意しない場合は、Let's Encrypt の証明書を取得できません。

  6. E メールアドレスの共有と IP アドレスのログ記録に関するプロンプトに適切に応答します。

  7. Let's Encrypt から、指定されたドメインの所有者であることの検証を求められます。これを行うには、ドメインの DNS レコードに TXT レコードを追加します。以下の例に示すように 2 組の TXT レコード値が提供されます。

    注意

    Let's Encrypt は、検証に使用する必要がある 1 つまたは複数の TXT レコードを提供する場合があります。この例では、検証に使用する 2 つの TXT レコードが提供されました。

    Let's Encrypt の証明書の TXT レコード。
  8. Lightsail のブラウザベースの SSH セッションは開いたままにします。このチュートリアルで後ほど戻ります。このチュートリアルの「次のセクション」に進みます。

ステップ 4: Lightsail でドメインの DNS ゾーンに TXT レコードを追加する

ドメインの DNS ゾーンに TXT レコードを追加すると、自分がドメインを所有していることが検証されます。ここでは、デモの目的で Lightsail の DNS ゾーンを使用します。ただし、ドメインレジストラがホストする他の一般的な DNS ゾーンでも手順はほぼ同じです。

注意

ドメインの Lightsail DNS ゾーンの作成方法の詳細については、「Amazon Lightsail で DNS ゾーンを作成し、ドメインの DNS レコードを管理する」を参照してください。

    Lightsail でドメインの DNS ゾーンに TXT レコードを追加するには

  1. Lightsail のホームページで、[ネットワーキング] タブを選択します。

  2. ページの [DNS ゾーン] セクションで、Certbot 証明書リクエストで指定したドメインの DNS ゾーンを選択します。

  3. DNS ゾーンエディタで [レコードの追加] を選択します。

    Lightsail コンソールの DNS ゾーンエディタ。
  4. レコードタイプのドロップダウンメニューで [TXT レコード] を選択します。

  5. 次の例に示すように、Let's Encrypt の証明書リクエストで指定された値を [サブドメイン] フィールドと [Responds with (応答)] フィールドに入力します。

    Lightsail DNS ゾーンエディタの TXT レコード。
  6. 保存アイコンを選択します。

  7. ステップ 3~6 を繰り返して、Let's Encrypt の証明書リクエストで指定された 2 番目の TXT レコードのセットを追加します。

  8. Lightsail コンソールのブラウザウィンドウは開いたままにします。このチュートリアルで後ほど戻ります。このチュートリアルの「次のセクション」に進みます。

ステップ 5: TXT レコードが伝播されたことを確認する

MxToolbox ユーティリティを使用して TXT レコードがインターネットの DNS に伝播されたことを確認します。DNS レコードの伝播には、DNS ホスティングプロバイダーと DNS レコードの有効期限 (TTL) の設定に応じて時間がかかる場合があります。このステップを完了し、TXT レコードが伝播されたことを確認した上で、Certbot 証明書のリクエストに進むことが重要です。そうしないと、証明書のリクエストは失敗します。

    TXT レコードがインターネットの DNS に伝播されたことを確認するには

  1. 新しいブラウザウィンドウを開き、https://mxtoolbox.com/TXTLookup.aspx に移動します。

  2. 次の内容をテキストボックスに入力します。domain は実際のドメインに置き換えてください。

    _acme-challenge.domain

    例:

    _acme-challenge.example.com
    MXTookbox の TXT レコードのルックアップ。
  3. [TXT Lookup (TXT ルックアップ)] を選択して確認を行います。

  4. 以下のいずれかのレスポンスが返されます。

    • TXT レコードがインターネットの DNS に伝播された場合は、次のスクリーンショットに示すようなレスポンスが表示されます。ブラウザウィンドウを閉じて、このチュートリアルの「次のセクション」に進みます。

      TXT レコードが伝播されたことの確認。
    • TXT レコードがインターネットの DNS に伝播されていない場合は、[DNS Record not found (DNS レコードが見つかりません)] というレスポンスが返されます。適切な DNS レコードをドメインの DNS ゾーンに追加したことを確認してください。適切なレコードを追加した場合は、ドメインの DNS レコードが伝播されるまでしばらく待ってから、TXT のルックアップを再実行します。

ステップ 6: Let's Encrypt の SSL 証明書リクエストを完了する

WordPress インスタンスの Lightsail ブラウザベースの SSH セッションに戻り、Let's Encrypt 証明書のリクエストを完了します。Certbot は、SSL 証明書、チェーン、およびキーファイルを WordPress インスタンスの特定のディレクトリに保存します。

    Let's Encrypt の SSL 証明書リクエストを完了するには

  1. WordPress インスタンスの Lightsail ブラウザベースの SSH セッションで、Enter キーを押し、Let's Encrypt SSL 証明書のリクエストを続行します。成功すると、次のスクリーンショットに示すようなレスポンスが表示されます。

    Let's Encrypt 証明書リクエストの成功。

    証明書、チェーン、およびキーファイルが /etc/letsencrypt/live/domain/ ディレクトリに保存されたことを確認するメッセージが表示されます。domain は、実際のドメイン (/etc/letsencrypt/live/example.com/ など) に置き換えてください。

  2. メッセージに指定されている有効期限を書き留めておきます。この期限日までに証明書を更新する必要があります。

    Let's Encrypt 証明書の更新日。
  3. これで Let's Encrypt SSL 証明書が手に入ったので、このチュートリアルの「次のセクション」に進みます。

WordPress インスタンスの Apache サーバーディレクトリにある Let's Encrypt の SSL 証明書ファイルへのリンクを作成します。また、必要がある場合に備えて、既存の証明書をバックアップします。

    Apache サーバーディレクトリで Let's Encrypt の証明書ファイルへのリンクを作成するには

  1. WordPress インスタンスの Lightsail ブラウザベースの SSH セッションで、次のコマンドを入力して基盤となるサービスを停止します。

    sudo /opt/bitnami/ctlscript.sh stop

    次のようなレスポンスが表示されます。

    停止したインスタンスサービス。
  2. 次のコマンドを入力してドメインの環境変数を設定します。コマンドをコピーして貼り付け、より効率的に証明書ファイルをリンクできます。domain は登録済みのドメイン名に置き換えてください。

    DOMAIN=domain

    例:

    DOMAIN=example.com
  3. 次のコマンドを入力し、変数が正しい値を返すことを確認します。

    echo $DOMAIN

    次のような結果が表示されます。

    ドメインの環境変数を確認する。
  4. 既存の証明書ファイルがある場合、バックアップとして以下のコマンドを個別に入力して名前を変更します。

    sudo mv /opt/bitnami/apache2/conf/server.crt /opt/bitnami/apache2/conf/server.crt.old
    sudo mv /opt/bitnami/apache2/conf/server.key /opt/bitnami/apache2/conf/server.key.old
    sudo mv /opt/bitnami/apache2/conf/server.csr /opt/bitnami/apache2/conf/server.csr.old
  5. 以下のコマンドを個別に入力し、Apache ディレクトリで Let's Encrypt の証明書ファイルへのリンクを作成します。

    sudo ln -s /etc/letsencrypt/live/$DOMAIN/privkey.pem /opt/bitnami/apache2/conf/server.key
    sudo ln -s /etc/letsencrypt/live/$DOMAIN/fullchain.pem /opt/bitnami/apache2/conf/server.crt
  6. 次のコマンドを入力して、以前に停止した基盤となるサービスを開始します。

    sudo /opt/bitnami/ctlscript.sh start

    次のような結果が表示されます。

    開始したインスタンスサービス。

    WordPress インスタンスの SSL 証明書ファイルが適切なディレクトリに配置されました。

  7. このチュートリアルの「次のセクション」に進みます。

ステップ 8: Really Simple SSL プラグインを使用して SSL 証明書を WordPress サイトに統合する

Really Simple SSL プラグインを WordPress サイトにインストールし、これを使用して SSL 証明書を統合します。Really Simple SSL では、サイトを訪問するユーザーが常に HTTPS 接続を利用できるように、HTTP から HTTPS へのリダイレクトも設定します。

    Really Simple SSL プラグインを使用して SSL 証明書を WordPress サイトに統合するには

  1. WordPress インスタンスの Lightsail ブラウザベースの SSH セッションで、次のコマンドを入力して wp-config.php ファイルを書き込み可能に設定します。Really Simple SSL プラグインは、wp-config.php ファイルに書き込むことで証明書を設定します。

    sudo chmod 666 /opt/bitnami/apps/wordpress/htdocs/wp-config.php
  2. 新しいブラウザウィンドウを開き、WordPress インスタンスの管理ダッシュボードにサインインします。

    注意

    詳細については、「Amazon Lightsail の "Certified by Bitnami" インスタンスのアプリケーションのユーザー名とパスワードを取得する」を参照してください。

  3. 左のナビゲーションペインから、[Plugins (プラグイン)] を選択します。

  4. プラグインページの上部で、[Add New (新規追加)] を選択します。

    WordPress で新しいプラグインを追加する。
  5. [Really Simple SSL] を探します。

  6. 検索結果の Really Simple SSL プラグインの横にある [Install Now (今すぐインストール)] を選択します。

    WordPress の Really Simple SSL プラグイン。
  7. インストールが完了したら、[Activate (有効化)] を選択します。

  8. 表示されるプロンプトで [Go ahead, activate SSL! (SSL の有効化を開始!)] を選択します。 WordPress インスタンスの管理ダッシュボードのサインインページにリダイレクトされる場合があります。

    これで SSL 暗号化を使用するように WordPress インスタンスが設定されました。さらに、HTTP から HTTPS へ自動的に接続をリダイレクトするように WordPress インスタンスが設定されました。訪問者が http://example.com にアクセスすると、暗号化された HTTPS 接続 (https://example.com) に自動的にリダイレクトされます。

ステップ 9: Let's Encrypt 証明書を 90 日ごとに更新する

Let's Encrypt 証明書の有効期間は 90 日間です。証明書は有効期限が切れる 30 日前に更新できます。Let's Encrypt 証明書を更新するには、取得するために使用した元のコマンドを実行します。このチュートリアルの「Let's Encrypt の SSL ワイルドカード証明書をリクエストする」セクションのステップを繰り返します。